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2011年 07月 10日
暑中お見舞い申し上げます。
毎日暑い日が続いておりますがみなさまお元気でしょうか。 去る6月26日(日)、ギャラリートークが行われました。 ドリルデザイン(林裕輔さん・安西葉子さん)とアオイ・フーバーさんの出会いから、Room展開催にいたるまでのいきさつなど、進行役に双方をよくご存知の萩原修さんをお迎えしてお話しいただきました。その時の様子をほんの一部ですがご紹介いたします。(以下敬称略/出演者の許可をいただいて掲載しております) <片思いじゃないです> 萩原修さん_以下萩原 ドリルデザインとアオイ・フーバーさんが出会ったのは、去年の12月。 まだ半年に満たないくらい? ちょうど半年ですか。 恋愛でいうと一番良い時期という感じで(笑)。 さっきも控え室で打合せをしたんですけれども、僕も照れるくらいに、アオイさんはドリルデザインのことをかっている。 で、ドリルデザインはアオイさんのことをすごく好きである(笑)。 ちょっと僕はあんまりいない方がいいのかな(笑)って感じなんですけど、 一応進行役ってことで、アオイ・フーバーさんのことと、ドリルデザインのことを両方知っている立場ですので。 まず、なんで僕がいるのかということをご説明すると、アオイさんとは、オゾン(新宿リビングデザインセンターOZONE)で1998年3月12日から3月24日にやったアオイさんの展覧会があったのですが、僕はその展覧会の担当でした。それからもう10、2、3年前になってしまっていて。(なぜアオイさんの展覧会をやることになったかというと)それもまたややこしいいのですが、建築家の中村好文さんが、アオイさんの南スイスのご自宅に行っていて、こういう人がいるからぜひオゾンでやれと指令を受けて(笑)。 ちょうどカスティリオーニさんの展覧会を(オゾンの)下のホールでやっていて、同時期にいろんな人とくっついて説明しにくいんですけれど、それが実現して知り合ったわけです。久しぶりですよね、この間お会いしてから、3,4年ぶりくらいですね。 で、ドリルデザインとはまた全然別のところで、といってもオゾンがらみなんですけど、1999年に自分の家をオゾンから持ち帰って建てた時(増沢洵設計の「最小限住居」の骨組み)に、2人はまだ学生で、デッキやデスクをつくったりするのに手伝いにきてくれたんですね。それで知り合ってからの縁ですので、アオイさんより後に知り合いました。こういうかたちで、アオイさんとドリルデザインが出会ったというのも不思議な感じで、どう考えていっていいのかわからない(笑)。 この展覧会は僕は全く関わっていないので、前回来た時に少し経緯をお聞きしたのですが、まだわからないとことがいっぱいあって、、。 今日は良い機会ですので、みなさんと一緒にどうしてドリルデザインとアオイさんが一緒にやっていて、何をやろうとしているのか? 実はこれは最初の試みで、この先があるそうなんです。あくまでもスタート地点という事らしいので、そのへんのあたりまでお話をきければいいなと思います。 こういう形にしたのは、堅苦しい感じがいやなのでこうしたのですが、やっぱり緊張しますね(笑) <なぜドリルデザインと?> ドリルデザイン林さん_以下林 アオイさんをドリルデザインがどこで初めて知ったのは、オゾンの展覧会で「子供と遊ぶOZONEの夏休み」の時で、知育玩具、おもちゃの展覧会だったのです。その時に葵さんのネフのアニマルパズルとアウラのアクリルのキューブでした。 僕は、ネフ(スイスNeaf社)という会社をそれまでも知っていて、大好きだったんですが、まさか、日本人がネフでデザインをしているとのを全然知らなくて、それですごく「アオイ・フーバー」さんというお名前が印象に残りました。 ドリルデザイン安西さん_以下安西 マックス・フーバーさんのことも知らない、まだ駆け出しの頃で、「アオイ・フーバー」という名前からお名前は日本人だけど、名字が「フーバー」さんなので、すごく印象に残りました。 それから、もともと私達はプロダクトデザインがメインですので、カスティリオーニさんが大好きで、すごく尊敬しているんですけどれども、そのカスティリオーニさんのグラフィックの仕事を葵さんの旦那さんであるマックス・フーバーさんがなさっていて、そこで、「アオイさん」と「マックス・フーバーさん」と「カスティリオーニさん」が私達の中でつながって、そのような感じで、アオイさんのおもちゃ以外の作品を具体的に知っていたわけではないのですが、すごく頭の中に残っています。 林 僕も学生のころに、オゾンでやったカスティリオーニさんの展覧会を見に行ったのですが、その時のカーペットを実はアオイさんがデザインされていたとか、後からそういうことがどんどんわかってきて、、。 それと、僕はブルーノ・ムナーリさんも大好きで、アオイさんはムナーリさんともお友達で、一緒に仕事をしたりして、、、すごいですよね。 萩原 アオイさんの周りには、優秀なといいますか、すごいデザイナーしかいないという状況の中で(笑)。もともと小さい時からお父さんの河野鷹思さんの周りにも色々なデザイナーの方がいらして、なおかつ、あちらへいらしても、すごい方達にお会いになって普通に接してお仕事をしておられる。アオイさんの方にお聞きしたいのは、色々すばらしいデザイナーが周りにいながら、ドリルデザインのどういうところが気に入っているのでしょうか? 安西 怖い(笑) アオイフーバーさん_以下アオイ ちょっとお父さんみたいですね(笑) この額(ペーパーウッド)が、ワタリ画廊(ワタリウム)のオンサンデーズに日曜日に行った時に、売っていたんですよ。 <偶然の出会い> 萩原 えーと、去年の12月26日の日曜日ですね。 アオイ そうです。それはどうしてかっていうと、あのカレンダー(coccodrillino/ワニ)を売っていただいていたので、どのように扱われているのか、ちょっと見にいったんです。そこで、オブジェが売っていまして。とにかく1つ欲しいので買ったんですよね。そして草野さん(オンサンデーズの方)とお話していたら、そこへ彼女(安西さん)が偶然に、、。 萩原 偶然に?! 安西 偶然に(笑)。 ちょうどその年の秋に、ペーパーウッドの展覧会をオンサンデーズでやらせていただいて、アオイさんがいらっしゃった時にはもう終わってしまっていて、フレームとかがちょっと残っているだけだったんですけれど。 まあ、年末だったので、ご挨拶しに行こうかなー。と思っていったら、ちょうど、アオイさんがいらして。 私ははじめ気が付かなかったんですけども、草野さんから「今ちょうどペーパーウッドをお買い上げいただいた方が、有名な方なのでご紹介しますよといっていただいて。」それで紹介していただいたんです。 さっき、林が話したように、パズルとかでお名前は存じ上げていたので、すごく感激して、そこで連絡先ぐらいを交換して、、。 ペーパーウッドの素材にアオイさんはとても興味をもたれていたので、私としては一緒にものづくりをしたいなあと思いましたので、「ぜひなにか一緒にやりましょう!」とお話させていただいたんです。 萩原 その時林さんは? 林さん ぼくはその時はいなくて。 安西もその日、オンサンデーズに年末に挨拶に行くのかどうかをすごく迷っていて(笑)。 どうしようかなー、行こうかなーどうしようかなーっと(笑)。 お世話になったから、行ってきちんと挨拶をしてきたほうがいいと言ったんです。 安西 僕のおかげだといってます(笑)。 会場(笑) 萩原 ペーパーウッドのどこが気に入っいったのでしょうか。 アオイ 額は私にとっていつも、、ほら、ねっ、額というのは大事でしょ。 萩原 それは展覧会か何かで? アオイ ちょうどスイスで、4月1日にやるのにこれはすごくいいと。 萩原 4月1日にスイスでご自分の展覧会をなさったんですね。 <ペーパーウッドのフレーム> アオイ その時の展覧会のタイトルは、イタリア語で「Anche cornice」。 英語でいうと「Also frame」。「額もまた」という展覧会ですね。 萩原 それはこの額に出会ったから、そういうタイトルになったんですね。 アオイ そうですね。 萩原 普通は、展覧会の時の額というのは、どうやって選ばれるのですか。 アオイ 大体、白とか、木とか、まー作品によりますけど、私の絵は、額がものすごく難しい、、。 本当は、額無しのほうがいいと思うのですよ。でもそうはいかないでしょ。 萩原 額は、ないほうがいい? それは、グラフィック的なものだからということからですか、いわゆる絵じゃないからですか。 アオイ 作品の一部だからです。 萩原 作品の一部だから安易にできないし、額と絵がまざっちゃうのもいやだしということですか。 アオイ あんまり、ね、関係のない額では困るし、、。 萩原 ちょうどよかったんですね。 見ていただけると不思議なんですけど、フレームに色がついているので、絵を邪魔しそうにフレームだけの時は思ったのですが、こうして見てみると、アオイさんの絵には非常になじんでいる感じがありますね。 安西 多分、愛称の良い、悪いを選ぶフレームだとは思うんですけども。 萩原 でもオンサンデーズでやっていたときに、他にフレームを買われた方はいらしたんですか。 林 そうですね、絵のフレームというよりかは、フォトフレームとして売っていたので、イラストレーションの作品をなかにいれることはそんなに考えていなかったんです。その時は。 萩原 じゃーアオイさんが初めてそういうかたちで、自分の絵をかざる額として、ある意味直感的に選ばれたわけですね。 アオイ それで、彼女から名刺をいただいたので、すぐにスタジオにお邪魔したんです。 安西 年明けて、恵比寿のスタジオに1月6日とか、すごく早い時期に、ただただ伺いますというだけで(笑)。 こちらはアオイさんとお話ができるのであれば嬉しいし、ぜひいらしてくださいという感じだったんですけれど(笑) アオイ そしたら、この(ペーパーウッドの)テーブルでスタジオでお仕事されていたんです。 安西 せっかくきていただいたので、私達の仕事をすこし見ていただいたんです。萩原さんとやっているつくし文具店とか、地球儀とか。 アオイ 地球儀は知っていて、実はスイスのフォンデーション(M.A.X.museo)に置きたいと思っていたんです。でもだれがデザインしたかは知らなくて。 <ギャラリーがあります> 安西 そして、6日にいらっしゃった時に「ギャラリーがあります」とアオイさんがおっしゃって(笑) アオイさんはわりと主語が抜けるので(笑) 「ギャラリーはどこに?」「アオヤマに」という感じで(笑) 萩原 ギャラリーって、ここ? ドリルはここを知らなかったんですね。 林・安西 はい 萩原 本当は額の注文のためにいらっしゃたんですよね。 安西 アオイさん、ほとんど額の話はされなかった(笑)。 萩原 じゃーそのときに、展覧会をやろうという話になったんですね。 アオイ そうです。何かやろうと。 それで、お二人はギャラリーをご存知なかったので、次の日にすぐにいらしていただいたんです。 萩原 アオイさん自身も、仕事なり、新しいものを紹介する展覧会をやろうという気持ちがあって、ドリルデザインとならいいんじゃないかと思われたんですね。 アオイ だって古い物を並べてもね。 なにか日本でつくったものがあったら、すごくいいなーと、単純に思っていたんです。 ドリルデザインとなら、(ギャラリーの)広さといい、一緒にやるにはちょうどいいなあと。 萩原 その時はまだどういう展覧会にしようかということは決めてなかったんですね。 アオイ 決めていませんでした。 萩原 やることは決まってたんですね。 アオイ だって、ほら(ギャラリーを)予約しないとね(笑) <座れる椅子を作りたい> 萩原 この展覧会がスタートで、これからどこへ行こうとしているのか? 先ほど葵さんにおききしてたら「ドリルデザインがどこへ行こうとしているのか、私にはわかっている」と(笑)。 僕にはわかっていないのですが、アオイさんにはどうもわかっているみたいで(笑)。その辺のことを聞いてもいいですか? アオイ やっぱりドリルデザインは、生活をすごく大事に考えている若い人たちだと思います。 萩原 本当ですか?(笑) 安西 すごく嬉しいです。でもちゃんと出来ているかどうか、、、(笑)。 ミラノサローネの後に葵さんのお家(南スイス)へ行ったんですけれど、葵さんがその時におっしゃった印象的な言葉は、「今年も座れない椅子があったりしましたか?」と。「痛そうな椅子」とか(笑)。そういう意味でいえば「座れる椅子」を作りたいなと思っています。 萩原 なるほど。この椅子もドリルデザインの椅子ですか。 安西 そうです。私達が座っている椅子も最近発売された「ビートルチェア」という最新作です。 萩原 アオイさんのいわれる生活を大事に考えているということからいうと、ドリルデザインは椅子のデザインをどういうようなスタンスで考えていますか。 安西 ドリルデザインは事務所をはじめて10年以上経つんですけれども、もともと椅子のデザインがやりたいと思っていたのですが、なかなかきっかけというか、すごく難しいじゃないですか、椅子のデザインって。 アオイ 椅子が一番難しい。 萩原 難しいですね。 安西 やり尽くされたジャンルでもあるし、それでもやっぱり新しいことをしていきたいと思うけれど、座れない椅子では駄目だし、なかなか、、まだ経験が足りないという意味でも10年くらい作ってこなかったんですね。それまで、何をやってきたかというと、もうすこしスケールの小さい、それこそ生活に近いプロダクト、生活用品みないなものをデザインしてきました。で、10年目を昨年迎えたんですけれど、それがきっかけにということではないのですが、いろいろなタイミングもあって、家具を少しやってみようかと、、。グッドデザイン、、やってみようか。とかね。ミラノサローネに出すから家具をちょっとやってみようかとか。そういうのを佐藤さん(フルスイング)とやってきて、ドリルデザインでデザインしたものを、彼らがさらに良い形で試作をつくってくれるというパートナーができたというのがすごく大きいです。 萩原 今回は、ペーパーウッドのスツールがあったり、木馬があったり、棚があったり。 ベンチなんかもペーパーウッドなんですけど、ペーパーウッドをつかった家具というのも、今回、かなり新しい試みですね。オンサンデーズでやったのとはかなり違った展開ですね。 安西 オンサンデーズでやったときは、コンパクトなスペースだったので、小さいものとかおもちゃとかが多かったのですが、今回はタイトルが「Room」でしたので、空間を作りたい。お部屋というか、もっと生活感を出した展覧会にしたかったんです。 <アオイさんのお部屋> 萩原 タイトルが「Room」になったのは? 林 4月にサローネにいった後に、アオイさんのお宅へ伺ったんです。 その時に完全にノックアウトされました(笑) アオイさんのお家のすべての部屋がすばらしくて、バランスだとか置いてあるものだとか、普通にただ家具を集めただけでは到底実現できないような、計算された空間というか、、。 あれはちょっとびっくりしたというか、感動してしまって(笑)。幸せな雰囲気の部屋なんですね。 それはモダンデザインの削ぎ落とされたシンプルな方向とはちょっと違っていて、置いてある物はモダンなんですけど、暖かい感じがする。 安西 よく建築家の方の竣工写真なんかで、何も無くてきれいな感じのお部屋がありますが、置いてある家具はカスティリオーニさんなんかのモダンな家具なんだけれど、、。要素はそうなんですけれど、暖かさがあって、なんで暖かさが出ているかは、まだよくわからないんですけどね。 萩原 それはべつにアオイさんとしては、意識されてるわけではないですよね。 モノを選ぶときというのは、直感的に「これは良い」と選ばれているんですか。 アオイ これとこれ、どっちがいいか?で、「こっち」という感じ。 好みかな、、。好みだけではいけないでしょうけど。 萩原 それくらいの感じで自然に合っている(笑)。意識して何かを作っているわけではないのですね。 安西 アオイさんならではの美意識で作られた空間だとは思います。 <Room展がスタートライン> 萩原 でも、そこから「Room」というタイトルになったのですね。 林 なんかそういう幸せな雰囲気の空間をつくっていきたいという思いからですね。 アオイさんと一緒だったら、、。 アオイさんのイラストレーション、そういうものと一緒にできるのであれば、ちょっとは近づけるかもしれないと。 萩原 アオイさんはドリルデザインとは違和感なくできましたか? アオイ 私としてはわりと問題はなかったです。 萩原 今後につながりそうですか。日本でもいろいろなことをやっていくタイミングだったとか。 アオイ 地震のこともあるし、若い人に考えてもらってがんばってもらわないと。 安西 今もいろいろあれしよう、これしよう、と計画中なんですけど。 アオイ 木とか、紙とか、布とかね、、 安西 いろんな素材でドリルデザインはものづくりをしているので、そういったメーカーさんと葵さんのコラボレーションも面白いかなと。 萩原 ドリルデザインだけじゃなく、他のデザイナーともコラボレーションしていきたい感じですか。 アオイ もちろん。今回は良いきっかけだったと思います。 photo : tomonori ohata / ayumi shinohara(DRILL DESIGN) #
by gallery5610
| 2011-07-10 16:03
| 展覧会・イベント
2011年 06月 21日
東京で今もっとも勢いのある若手プロダクトユニットのひとつであるドリルデザイン(林 裕輔・安西葉子)と、1961年よりミラノに活動の拠点を移し、現在南スイス在住のグラフィックデザイナー、アオイ・フーバーとの世代と場所を越えた展覧会が始まりました。
8日のレセプションでは、梅雨空の下、あいにくの雨模様となりましたが大勢のお客様にお越し頂きました。 会場では、「paper wood(ペーパーウッド)」という名称の、エッジの美しい合板を主役に扱った、木馬、フレーム、棚、テーブルや、アオイ・フーバーのイラストレーションやぬいぐるみ、絵本、パズルなどが展示されています。 誰もが心地よく感じられるこの部屋へ「ちょっと立ち寄ってみよう…」と思ってくだされば、みなさまへ3人のメッセージが届くのでは。 30日までの開催です。会期中は無休となっております。 皆様のお越しをお待ちしております。 ○Room DRILLDESIGN × AOI HUBER exhibition 〜6月30日 11:00〜18:00(会期中無休) photo : ayumi shinohara(DRILL DESIGN) #
by gallery5610
| 2011-06-21 19:25
| 5610展覧会
2011年 06月 21日
開催中のRoom展ご案内のハガキには、お気づきになられた方もいらっしゃると思いますが、活版で刷られている部分があります。
5月のとある日、ハガキ印刷の際に色校正に行かれるドリルデザインの安西さんにお願いして、Yも同行させていただきました。 場所は、門前仲町にある斉田製版社。 出迎えてくださったのは、斉田さん。活版印刷の大ベテランです。 5人も入ればもういっぱいという小さな工場ですが、必要なものはきちんと整理されコンパクトに収まっています。棚にはずらっと書体が並びます。 こちらはインテルとよばれる活字を組む時に行間をうめる木片。 組版されたもので、版がバラバラにならないように結束糸で周りがしばられてます。最近は、名刺のお仕事が多いいのだそうです。 先の震災のときは大変だったのでは、とお聞きした所、モノも落ちたりせず大丈夫だったんだそうです。ご近所の物書きをしてい方から「中をみせてもらえませんか」と頼まれたこともあるそうで、昭和の雰囲気漂う素敵な工場です。 さっそく仕事に取りかかってくださいました。 こちらが活版の印刷機です。年間5台くらいは今でも売れているんだそうです。 そしてこちらが版(銅版)。3匹のトリと家、文字の部分が活版になります。 印刷機にセットします。カラーのストライプの部分はすでに大洋印刷さんで印刷されています。 インクが、インク壺よりローラーを通って版にインクを付け、紙を版に押し付けて印刷します。 事前に指定してる色で一度刷っていただきました。 仕上がりを確認して、「もうすこ〜しだけ濃くしてください」と安西さん。 「2回刷ったものよりは薄く」など、微妙なニュアンスも斉田さんはすくいとってくださいます。 インクは、活版用のインクを使用します。基本的にはオフセットのインクと同じですが、オフセットのインクだと機械のスピードが遅いため、乾いてしまうんだそうです。 そして、2回程調節していただいた後に「いいですね」と安西さんのOKがでました。「本当にちょうど良い湯かげんという感じです(笑)」と安西さんが表現されるように、斉田さんの色調整はまさに職人技です。 安西さん、素敵な笑顔です。 一段落したところで、めずらしいものを斉田さんがみせてくださいました。 手動印刷機。 丸いインク受けにインクをもり、ローラーで、のばし版にインクを付け、左側にある取手を下ろして、版に紙を押し付けます。 「押し」は、当然ですが、人力です。 強く押せば、強く。弱ければ弱く、本当にシンプルです。 「昔は、清刷り(版下)の時なんかは、これを使ったんですよ」と斉田さん。 「グラフィックをこれからやろうという人はぜひやってほしいね。凸版でも樹脂版でも使えるし、いろんな風に自分で出来ますしね。押した感じとか、にじみ出る感じとか、自分のパワーで刷られていく感じとか、、、これ、一度使いたくないですか!(笑)」と安西さん。 斉田さんにお願いして、手動印刷機を使ったワークショップなどもぜひやってみたいですね! 斉田さん、いろいろと教えていただきましてありがとうございました! そして、活版印刷の後、裁断のためハガキは再び大洋印刷さんへ。 じつに沢山の方々により、Room展のハガキは作られています。 ハガキをお持ちの方は、ぜひ会場へお持ちください。完成型をお持ち帰りいただけます。お持ちでない方もご心配なさらずにご来場ください! ○Room DRILLDESIGN × AOI HUBER exhibition 〜6月30日 11:00〜18:00(会期中無休) #
by gallery5610
| 2011-06-21 10:04
| スタッフ訪問
2011年 05月 30日
いきなりですが、「公共建築物木材利用促進法」というのをご存知ですか。
昨年施行された法律で、中大規模の公共の建物を国産材で作りましょうという法律なのだそうです。 昨年5610で開催された東大木質材料学研究室の展示の際、安藤教授のお話で、いまから国産材が使える時期にはいったとおっしゃっていました。いま使用して、また若い木を植えないと50年後に使う木が今のようにない世の中なるというお話でしたが、国産の木を使っていきましょうという追い風になるような法律が国会で可決されたわけです。 ところが、、、一般的な国産流通材は住宅用に合わせた6m以下(多くは4m以下)の製材が大半であるのに対し、中大規模木造に必要とされる空間のスパンは通常6mを超えるため、特注の大断面集成材に頼らざるを得ないのが現状なのだそうです。このことが「国産材による木造化はコストが高くつき納期に時間がかかる」という不利な状況の一因となっているのだそうです。 このような状況を打開すべく、稲山先生からだされた今年のお題は! 住宅用流通国産材を用いた教室サイズスパンの2階床システムの技術開発コンペ 一般的な国産流通材の長さである4m以下の国産流通材を用いて、2階床を支持する構造システムを考えるというお題です。素人にはわかりにくいですが、簡単にいいますと、、、 「たわみ計測競技」です。 それでは早速会場へ。 伺ったのは、五月祭でにぎわう東大、木質材料学研究室のある農学部キャンパスへ。台風接近と重なりましたが、雨の中、競技の準備は淡々と進んでいました。 8チームがそれぞれ設計・製作した、これはなんといったらよいのでしょうか、、巨大平均台?公園にある遊具(うんてい)?のような物体が並びます。 このような鉄橋みないな形もの こちらも こんな感じもの そしてこれが「たわみ」測定器。 巨大平均台(仮にそう呼ばせていただきます)の真ん中に設置します。 稲山先生も率先して準備に取りかかります。 測定のための準備を整えます。黄色い雨具を着てチェックをされているのは、 去年の五月祭パビリオンコンペで第一位だった蒲池さん そして、鉄棒を持った男子がそばでスタンバイしてます。 稲山先生の「用意!スタート!」のかけ声で、、、 いっせいに鉄棒にぶる下がります(笑。(笑ってすみませんっ) 700Kgの重さをかけるため、男子が両側5名づつ10名がぶる下がっています。 その間、数十秒。稲山先生の「止め」の合図がかかるまでぶる下がります。 この時におきる「たわみ」の大きさを競うという、実に地味な競技なのです。 しかし、みなさん真剣です。 たわみ測定中(しゃがんでいらっしゃる方々が数値を読んでいます) たわみは少ないほうが良いわけですが、単位はミリ単位、ほとんどが5ミリ以内でした。(すごいことなのだと思います。) 全8チームが終了するまで、1台1台順番にぶる下がっていきます。 昨年の棟梁、落合君を発見。 落合くんもぶる下がっていました。 ひたすらぶる下がります。 木材会社の社長さんでいらっしゃる網中さんのお姿も。 組立は五月祭前日に行われ、五月祭会期中展示、そして最終日の今日が競技となりました。 午後2時の開始から、およそ1時間半。競技は無事に終了し、教室での結果発表です。 耐力壁ジャパンカップ同様、たわみの測定だけでなく、材料の積量、材料費、加工費などすべて数値化され、総合得点を競います。集計が終わり、、表彰式へ 総合では、おしくも2位でしたが、たわみ測定では、堂々1位の「チームたわみ」。 昨年5610での展示でお世話になった方々がいらっしゃるチームでした! 総合優勝は「チームEXS」の社会人チーム。となりました。 図面や計算である程度の予測はついても、実際に作ってみたいとわからないことが木質構造の世界では沢山あるそうです。何事も実験してみることの大切さを教えていただきました。そして一見地味にみえるこれらの競技(実験)が、日本の木造建築を支えているのだと改めて痛感しました。 みなさん、ありがとうございました。そしてお疲れさまでした!(Y) #
by gallery5610
| 2011-05-30 17:00
| スタッフ訪問
2011年 05月 27日
ステンドグラスの歴史は、中世ヨーロッパの教会でキリスト教伝道の為といわれていますが、日本にステンドグラスが入ってきたのは、幕末の頃といわれています。
日本最古のステンドグラスといわれているのは大浦天主堂(国宝)ですが、1865年天主堂の建立を記念してフランスの修道院から寄贈されたもので、現在のステンドグラスは1879年に改築されたものだそうです。 日本人の手により初めてステンドグラスが作られたのは、明治23年。宇野澤達雄がドイツよりステンドグラスの技術を持ち帰ります(帝国議会議事堂(現:国会議事堂)建設にあたりステンドグラスの技術を習得する為ドイツへ行く)。 その後も、小川三知など創成期の作家達により、室内装飾品として伝えられ、学校、交通機関、公共施設、商業施設、宿泊施設、住宅…など、教会以外にも実に様々なところにステンドグラスは取り入れられてきました。 …………… さて、前置きが長くなりましたが、ギャラリーでは、桑田ひろみさんと丸山博孝さんによる「ステンドグラス2人展」が開催中です。 ステンドグラスの先生と生徒でいらしたというお二人。 向かって左の女性が、先生の桑田さん。 桑田さんは、美大を卒業され、ステンドグラスの教室で指導をされたのち、パリへ留学。帰国後、現在まで、個人邸宅や寺院や宿泊施設など、施主の注文を受けて、デザイン、製作をされています。 以前は、大手石油会社の技術者でいらしたという丸山さんは、会社を辞められ、その後、偶然、桑田さんの生徒になられたんだそうです。ステンドグラスにはそれまでまったく縁がなかったという丸山さんですが、技術研磨の後、工房を構え、現在は、注文製作の他、教室も主宰されています。 「もし、先生が桑田先生でなければ、ここまでこられませんでした。その後もいろいろな人との出会いがあったおかげで今の私があります」とおっしゃる丸山さん。人の出会いというのは、本当に不思議なものですね。 九州四国地方が梅雨入りし、東京も薄曇りですが、曇り空の方がステンドグラスの鑑賞には良いのだそうです。光が強いと反射が強くなり、ディティールが見えにくくなるのだそうです。 「窓や扉に嵌め込まなくても、このように木枠で囲ば、絵を飾るのと同じように手軽に楽しめるでしょう」と桑田さん。 お近くまでお越しの際は、ぜひお立寄ください。(Y) ○桑田ひろみ・丸山博孝 「ステンドグラス2人展」 〜5月30日(月)まで(日休) 11:00〜18:00(最終日15:00まで) 参考文献:株式会社松本ステンドグラス製作所ウエブサイト「日本のステンドグラス史年表」 #
by gallery5610
| 2011-05-27 16:44
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