スタッフ便り

駒形克己「はじまりとおわり」展開催中です！

ギャラリー5610では、駒形克己「はじまりとおわり」展を開催しています。

2021年、2022年にPIECESシリーズを発表し、さらに進化し続ける今回の作品展「はじまりとおわり」。

駒形さんは今年の3月に食道にガンがみつかり、それによって「PIECES」とは違う制作方法にシフトしました。治療を行いながら制作を進める駒形さんのお身体が心配されましたが、9日のトークイベントでは元気なお姿でお話しいただきました。

前半はコロナ以降3年ぶりに、リモートではない形で開催した＜イタリア･ボローニャ国際絵本見本市＞でのこと、フランス・エルメス社とのお仕事のことなど、近況の活動をスライドショーをみながら伺いました。後半では、本展覧会の作品について、1テーマごとの背景をお話しいただき、新作絵本『RAIN』『ALONE』に続き、会場の作品をすべて本の形にするというこの先のご予定も教えてくださいました。

『RAIN』と『ALONE』は会場の作品と同じくジークレープリントで作られ、1冊ずつ職人さんが製本してできあがります。大量に印刷して出版する本とは違うため、受注でご購入いただく形で承っており、駒形さんの直筆サインも入ります。

岩手県立美術館の展覧会をきっかけに、都市と地方の空気感の違いを感じ、こういう自然に触れる営みの中でもう一度なにか自分の感じることを取り戻したいなぁと思われ、直ぐに一関にアトリエを作った駒形さんですが、今も治療をしながら東京と一関を行き来して制作を続けていらっしゃいます。
「若い世代が東京（都市）に集中しがちで、地方は本当に閑散としていて、夜8時になると東京の夜中じゃないかと思うくらい人がいないんです。若い人たちとか、これからの人たちに、そういう地方へもっと興味をもってもらいたいな」とおっしゃる駒形さん。
ご自身が自然に触れながら感じてきたことを本として表現したいという思いからはじまった今回の展覧会。
それぞれの作品に短いコメントがついていて、そこからも駒形さんの一関での日常を思い浮かべることができます。

一枚の紙から製本された新刊の『RAIN』と『ALONE』も会場でご覧いただけます。

展覧会は今週の日曜日までです。最終日のワークショップはすでに定員となりましたが、16：30〜17：00より駒形さんによるギャラリートーク（作品解説）がございます。（予約不要・無料）

●駒形克己「はじまりとおわり」展9月5日〜17日11：00〜18：00
ギャラリーに隣接するスパティオへもぜひお立ち寄りください。

長井健太郎 ソスウ／カシカ 開催中です

ギャラリー5610では「KENTARO NAGAI EXHIBITION 03 ソスウ／カシカ　VISUALIZATION OF PRIME NUMBERS」を開催しています。

素数とは「1より大きい整数で、1とその数以外に約数をもたないもの」ですが、なぜか法則がなく気まぐれに出現するのだそうです。

2、3、5、7、11、13、17、19、・・・というように続いていきますが、3と5のように2個差だったり、7と11のように4個差だったり、

もっと離れている場合もあって100個連続して素数が出てこないということもあるんだそうです。

そんな気まぐれな素数の姿を、グラフィックデザインの手法を用いてビジュアル化した長井健太郎さん。

もともと素数に興味があったという長井さんは、混沌とした素数の並びの中に美の秩序があるのではないかと思い、数学者の力を借りながら、格子や三角形、六角形、螺旋形などに可視化し、作品を制作していきました。


可視化されたことにより、無機的な素数の並びがいきいきとしてきます。いますぐには役に立たなくとも、500年後に数学上の発見のヒントになるかもしれない（笑）と長井さん。

会場では、「日本の布づくり」をコンセプトに全国の機屋（はたや）の特徴を生かしたテキスタイルデザインをするYUKKOさんの、素数をモチーフにした織の作品も展示されています。
展覧会は9月2日までとなります。


KENTARO NAGAI EXHIBITION 03 ソスウ／カシカ　VISUALIZATION OF PRIME NUMBERS
8月28日〜9月2日11：00〜18：00

Window展 「81T+68M+51A=200」

8月3日から24日の期間、ギャラリーのウィンドウにて、河野鷹思、マックス・フーバー、アオイ・フーバーの3人の作品を展示しました。

今回展示した作品6点は、ミラノAGIから四半世紀を経た1987年に印刷されたもの。3人の年齢が合わせて200歳になることを記念して、イタリア・カントゥのStudio On Color/パオロ・ミナリがシルクスクリーン 印刷をおこない、ムナーリが賛を寄せ、フーバーがグラフィックデザインを手がけて*2種類のカルテラ（函）に仕上げ、親しい友人や関係者に配った作品です。

*memo

1960年に東京でおこなわれた世界デザイン会議に参加したイタリア代表の一人、ブルーノ・ムナーリと伴に来日したのが、ムナーリの盟友マックス・フーバーだった。

フーバーはスイス人だが、第二次世界大戦前からミラノでデザイナーとして活動しており、コンクリート・アート（具体芸術）運動の同志としても、ムナーリとは肝胆相照らす仲だった。
世界デザイン会議の実行委員だった河野鷹思は、ムナーリ、フーバーの両者と意気投合し、翌年ミラノでおこなわれたAGI（国際グラフィック連盟）の作品展に日本代表として参加。当時ストックホルムに留学中だった長女の葵が合流してフーバーと初対面、その後に結婚するきっかけとなった。

テキスタイルアート・ミニアチュール8 「百花百響」開催中です。

暑中お見舞い申し上げます。

5610番館の庭では蝉が一斉に鳴きはじめました。

ギャラリー5610では、8回目を迎えるテキスタイルアート・ミニアチュール展を開催しています。

会場では「響」をテーマに、アーティスト100名が20cm×20cm×20cmの限られた空間の中で、自身の世界観を具体化した作品を展示しています。

作品は「染める」「編む」「組む」「縫う」ほか、さまざまな技法が用いられていますが、それぞれが響きあいここちよいハーモニーを奏でています。

展覧会は土曜日までとなります。

作品は一部販売もしています。

本展終了後は12月に金沢へ巡回します。

●テキスタイルアート・ミニアチュール8「百花百響」

7月21日（金）〜29日（土）

11：00〜19：00（最終日〜17：00）

「Galerie Wa2 presents Christiane Perrochon + Yutaka Yamamoto 」が開催されました。

6月27日に終了したギャラルーワッツの企画による、陶芸家クリスチャンヌ・ペロションさんとパリ在中のフォトグラファー山本豊さんによる二人展の展示の様子です。