サプライズトークショー

こんばんは。スタッフYです。
パッケージ幸福論の案内状をご覧になられて、「何これ！？」と驚かれた方もいらっしゃると思います（笑）14日のパーティーでは、中島信也さんとその案内状のデザイナーである白井さんとのトークも行われました。その模様を今回はお届けします。

中島さん）
DM（案内状）等々、グラフィックをつくってくださった白井さんをご紹介いたします。

中島さん）
今回のDMですね。給料封筒みたいのに入ったやつと、あとパンフレットですね。
これ実は高度にアートディレクションされているんですね。
これ、ひとつの「高度な低レベル社会や」と思うんですよね。結構ハイレベルな仕事だなと思ったんです。
「高度にアートディレクションされて、低レベルな感じ」だったんですけど（笑）
白井さん、サン・アドといえばあの外苑前のおしゃれな会社じゃないですか。
あの会社で、葛西薫さんに代表されるようなデザインがはやっている会社で、このテーマを聞いた時どう思われました？

白井さん）
あのー、まあ、ああいう風にしたのは僕のせいじゃないというか…（笑）
中島さんのせい（笑）

中島さん）
オレのせいかな（笑）本当？

白井さん）
ロゴマークは中島さんがデザインされているんです。

中島さん）
ぼくが書いているんですね。「パッケージ幸福論」と筆で書きました。

白井さん）
最初このロゴがメールで送られてきて…
それをデザインして下さいといわれて（笑）

中島さん）
ひどいですね（笑）
えっと、去年は（サントリーの）加藤さんがディレクションをやってくださいまして、「open!」という、洒落たいい感じのロゴでしたが、「この泥臭いのはどうだ！！」と思って、どーんっとぶつけてみたんです。
これをサン・アドに渡したらどんなことになるだろうと思って（笑）
白井さんのことは存じ上げなかったんですけどもね。で、これに見合ったところでやるしかないと…。
でもDMのアイデア（友達の飲み会のシーンで、カラーコピーみたいな、もんじゃ焼き屋さんの写真）を出してきたときですよね。衝撃やったのは。
これが結構きてるんですよね。それが…。ものすごくきたない写真なんです（笑）

DMの中にも写真が1枚入ってますけど、なにこれ？飲み会じゃん？みたいな（笑）
あれ出品者たちがよく（きちんと撮影した）写真とかで、出てるんですけど、そうゆうのじゃなくて…。
DMのラフがあがった時にも、あの瞬間に盛り上がったというのがありますね。
サン・アドのプロデューサーの服部さんが、いろいろと繋いでくださったんですけどもね。
（会場内へむけて）服部さんいます？

あの瞬間に盛り上がったというのがありますね。「そうだ！これだ！！」と。
オレたちの…なんだろうな幸福って？…なんだろうな？と話していたとき、
「もしかして幸福は、表参道には落ちてない」とか言ってなかった？（笑）

服部さん）
（笑）

中島さん）
「幸せは表参道には落ちていないんです」みたいなことを（服部さんが）言ってきて…。
それで月島かなんかのもんじゃ焼きの、きたなーい写真の方がいいと…。
「これのほうが幸せなんです！」って言って。
ぼくらは写真のために飲み会を設定し（笑）、人形町まで行き、赤垣（酒処赤垣／パンフレットにも広告を出していただいてます）でロケをやり、ロケといってもコンパクトなデジカメでポンポン撮るだけのロケですけどね（笑）
結構セレクトが大変たっだんじゃないですか？あの写真は？

白井さん）
そうですね。すごいひどい写真がたくさんあったので（笑）

中島さん）
ひどすぎて（笑）
どうですかね、これで来年はADC賞をねらってみては（笑）

白井さん）
ちょっと怒られそうですね（笑）

中島さん）
いや、怒られへん、怒られへん、これは結構いくと思いますけどね。
低レベル安定なイメージをデザインされてどうですか？感想として。

白井さん）
普段ぼくたちの仕事というのは、やはりきれいにまとめていく仕事なんですけれども、
今回の「低レベル安定」という言葉から、これによってデザイナーが何を得るかということなんですけど、違う方向があるなという、そこが新しい発見だなということなんですね。

中島さん）
違う方向ではあるよね。いつも向いている方向とは違う。

白井さん）
全くすべてをまとめないというか…。これだけたくさんの、10人のデザイナーが集まっているその良さを表すというか…

中島さん）
すごいよね（笑）

白井さん）
普段の頭の使い方とは逆の方向に…。
こっちにやるときれいになっちゃうからこれはやめようと（笑）
逆の方向に組んでいくというか…

中島さん）
ものすごくぼく、好きなパンフレットですけどね。
服部さんは「低レベル安定」と聞いた時、抵抗はありませんでした？

服部さん）
そうですね…。抵抗はなくて、ただ、半年前に「低レベル」って言葉って、今ほどすんなりは世の中に入らないだろうなという感じはあって…。
デザインの展覧会に「低レベル」と付くのがどうなのかな、というのがあったんですけど、白井と相談していて、まさに刺激的な、やったことがないし、どういう風に受け取られるのかわからないというのが、面白いだろうな、とは思いました。

中島さん）
なるほど。
ぼく、文章でいろいろ書いてますけど、陰で操られていましてね（笑）。
ムチを入れられつつ書いたんですけどね（笑）。（服部さんは）陰の立役者ですけれども。
今日、本当はゲリラポスター持ってきてくださる予定だったんですけどね。
ちょっと出来てなくて残念ですが、パッケージ幸福論の文集（パンフレット）をぜひともみなさまお持ち帰りをいただき、お読みいただきたいなと思います。
今回のDM等々、グラフィックをつくってくださった白井さんと、プロデューサーの服部さんでした。どうもありがとうございました。

----------------

後日、白井さんはゲリラポスターを貼りに来てくださいました。
展覧会は、あさって日曜日までの開催です。皆様のお越しをお待ちしております！