ギャラリー5610では、片山裕「まばたきと めまい」展を開催しています。
会場では、これまでアートディレクション、デザインに携わってきた片山裕さんが、Illustratorで制作された一枚の絵を自在に動かすことができたら、そしてすべての一枚が作品として引き出すことができたらと5年ほど前より試作を繰り返し、完成した映像作品(めまい)とデジタル版画(まばたき)が展示されています。
タイトルの「めまい」はヒッチコックの映画「めまい」(原題:Vertigo)からインスピレーションを得たもので、「Vertigo」のラテン語っぽい響きもよかったので、とおっしゃる片山裕さん。
4分の動画でIllustratorのファイルが7261枚。
映像ソフトは最後に7261枚を束ねる時のみに使用され、束ねたものに時間が与えられ、動画となりました。
ちょうどセル画のアニメーションやパラパラマンガのようなイメージです。
50前後に分けられた各パーツを微細に移動させ、エレメントに効果などを与えながら一コマ、一コマ画面キャプチャーで記録されていきます。
その足跡が視覚化されたものがこちらのチェックシートです。
30枚で1秒の動画になるそうですが、その膨大な制作工程について片山さんは「東京から大阪まで歩いていく感じですね、途中寄り道をしたりして。」と、さらりとおっしゃいます。
このような行程によってのこされたIllustratorデータを高精度のジークレー版画として取り出されたものが壁面に展示されている作品(まばたき)です。
展覧会は残すところ3日間となりましたが、ぜひ会場でご覧ください。
●片山裕「まばたきと めまい」展