ギャラリー5610では、安次富 隆さんによる「Ancient Futures」を開催しています。
会場には安次富さんが拾い集めた自然遺物や人口遺物が並びます。
安次富さんが立体物が成ろうとしている状態を丁寧に読み解き、できるだけ作為的にならないように慎重にノイズ(キズや汚れ)を取り除いた立体物が展示されています。意味が先行してはならない、意味はできるだけ排除したいからとこれらには名前も番号もありません。
展示デザインはトネリコの米谷ひろしさんによるもの。
緻密に設計された展示台。他の作品が視野に入らないように工夫されています。
安次富 隆さん(プロダクトデザイナー・SAAT DESIGN INC.代表・多摩美術大学プロダクトデザイン教授)『エゴなく立体の「becoming 」をとらえられるか』。デザインを「意味」から考え始めてしまうことに危惧している安次富さんの試みはデータ至上主義的なデータ・マイニングとは全く違うアプローチです。
誰もが古代より受け継いでいる五感を使って包括的にものごとを捉える能力が、持続可能な未来を切り開くと安次富さんは考えます。
展覧会は27日(水)までです。ぜひ会場で手にとってそれら立体物が発する情報を感じてみてください。
先週末には、石田尚志さん(現代美術家・映像作家・多摩美術大学油画准教授)、中村寛さん(文化人類学者・著述家・多摩美術大学共通教育准教授)とのギャラリートークが開催されました。
安次富さん曰く「母はぼくのズボンを洗濯するのが嫌だった。」と。ご実家にはお母様が捨てずにとっておいてくださった「隆のガラクタ」と書かれた段ボールが4箱あるんだそうです。
Ancient Futures プロダクト・データ・マイニング研究
2月22日(金)〜27日(水)11:00〜17:00