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2016年 07月 10日
あいさんのお話に続き、後半は駒形さんのお話です。
出発直前の機内からの電話。 父の駒形です。よろしくお願いいたします。 ![]() 先ほど娘の方からTシャツを作る経緯をお話しさせていただいたと思うのですが、実は、結構いろいろあってですね。 ![]() 2週間前、私、ロンドンにいたんですね。ロンドンに行く前に、一応展示の打合せをして、展示作品はインクジェットでやろう、点数も多くできるし、コスト的にもクリアーできそうだし、と考えていたんですね。ところが、結果、インクジェットのサンプルとシルクのサンプルが届いて、彼女からLINEで…(笑)。 もう飛行機が飛ぶっていう時にLINEで入ってきたんですよ(笑)。 なんかインクジェットがどうやらダメそうで……。私、ロンドンのヒースロー空港で飛行機の中にいて、電話なんかしちゃいけないのに、電話をしたんですよ。で、どうしようってことになって、ともかくやっぱり恥ずかしいものはみせたくないからシルクでいこうと。ただし、展示を工夫しないとちょっとみなさんにも申し訳ないから……、つまりシルクだとどうしても沢山のものは展示できないので……。というようなことで、このような展示になりました。 ![]() コンパスのように で、まあこんな経験をしていく中で、私としては娘がともかくいろいろな場面で判断をどうしていくのかということを経験できたらいいな、ということを考えていて、常々仕事をしながら思うんですけども、ちょうどコンパスのように、例えば軸足という針があって、芯を刺すわけですよね。その軸足がぶれてしまうような仕事の仕方って、やっぱり信頼されないし、そこは自分の姿勢とか判断力、そこが集約されているんじゃないかと思うんですね。コンパスのもうひとつの足、そこには鉛筆がついていて、で、プロジェクトによっては、大きな円が描けるときもあれば、あるいは今回は小さな円かな、というような、つまり相手との距離感を確かめるようにしながら、円を描いていくと思うんですね。そんなようなスタンス、姿勢を娘になんとか伝えたいなというふうに思っていて、今回そういった意味では、とてもいい機会になれたかなと思っています。 ![]() さらにですね、リトルアイの「FIRST LOOK」。 今日こちらへ、これを出版してくださった心ある偕成社の方々がいらっしゃっていただいているんですが、実はこの本、出版した当初、きっと今でもそうなんですけどね、評判があまり良くないんですね(笑)。 パッケージから出すとバラバラになってしまって誰もお店で元に戻さないし、サンプルを出すについては結構高い本なのでね、そうそうサンプルも出せないし、そんな訳で、私、偕成社の社長さんには「いつでも出版をやめていただいても結構です」と言い続けながら20年、ずーっと重版を続けてくださったんです。で、改めてお礼を言いたいと思います。ありがとうございます。 会場)拍手 ![]() で、あまりにも日本で評判が悪いものですからね。私、ニューヨークで仕事していた時があったのですが、CBSという会社に勤めていたときに、すぐ向いにMOMAがあって、MOMAのショップに自分の作ったものが置かれたらいいなーと思って、バイヤーの人の名前を調べて、その当時はメールとかは一切ありませんでしたから、とてもナイスな手紙を書いてアプローチしたんです。で、アポイントメントをとりたいという言い方ではなくて、もう私、ニューヨークに行きますという話をして、アポイントメントをとれるかどうか分からずに手紙を出したんです。そしたら、向こうの方でちゃん打合せを設定してくださって、7、8人くらいいらっしゃいましたかね、とてもプレゼンテーションを気に入っていただいて、1990年のクリスマスにMOMAのウィンドウディスプレイに飾られて、たまたまそこを通りかかったパリからきていた図書館司書の方からその後連絡をいただいて、1994年にフランスリヨンで初めての私の展覧会が開催されて、ひょんなことからいろんな出会いがあるものだなといつも思っています。常々思うのは、確かにいろいろ難しいことが起きるんですね。難しいことが起きても、それを乗り越えるなにか工夫とか、そういったものがむしろ新しい領域に踏み込めるチャンスがあるんじゃないかなと思っています。 今回この展示では、イタリアボローニャ・ラガッツィという賞のご紹介をさせていただいているんですが、イタリアボローニャでは毎年、世界各国で出版された児童書の中から、優秀な本を審査する審査会があるんですね。それをラガッツィ賞というんですけれども、この「リトルアイ」では受賞に至りませんでした。で、その後ですね、この本をヨーロッパでの展示に合わせて、日本から送るんですけれど、いつも税関で問題になっちゃうんですね。というのは、本は、通関上、課税率が低いんですね。まー、文化が交流するという視点からだと思うのですが、ところがおもちゃというのは課税率が高いんです。この本、いつもパリのの際、「おもちゃ」と判断されて、その度にパリの図書館司書の人たちがカスタムハウスに行って交渉して、「これは本なんだ」という説明をされ続けてきたという話を伺ったんです。 あえて、おもちゃっぽく。 それは申し訳ないなと思ったんですね。それでいろいろ考えてですね、でも、あえてもっとなんかおもちゃっぽいものをつくって、それを本と認めてもらえたら、もう少し可能性が広がるんじゃないかと思って作ったのが、もっと小さいこの本なんです。 ![]() ▼「MINI BOOK」 ![]() この中には、カードが12枚入ってましてね、本のタイトルを「MINI BOOK」としたんです。こっちから「BOOK」といえば、お役人さんもこれはブックだと認めるだろうと思って(笑)。3冊本を出したんですけれども、ちょっと中をあけてみます。(註:以下2枚の写真は駒形さんが説明用に用意された大判です) こんな風になっているんですね。 ![]() これ裏返すだけなんですよね。これが、こんなふうになります。 ![]() 会場)ほー その反応はとても嬉しいです(笑) これを作ったらですね、なんと2000年の、その年に新たな部門がボローニャ・ラガッツィ賞にできまして、その部門というのはNEW ART賞といいまして、そのジャンルでこの小さな本がスペシャルメンションアワードを受賞することになりました。 地味なポップアップの本。 2000年以来、毎年のように私は、ボローニャに通うことになりました。で、次に受賞した作品というのが、2010年に受賞したんですが、この「Little tree」という本です。 ![]() この本はですね、ちっちゃな、とても地味なポップアップなんです。 ![]() ポップアップっていうととても賑やかで、もう大声で叫ぶような本が主流なんですけども、この本を制作しているときにですね、私のとても信頼といいますか、大好きなおじさんが倒れてしまって、脳の病気なんですけども、九ヶ月ほど、植物状態になって結果として亡くなってしまったんですね。で、作り始めた時は、まったく異なったアイデアで作っていたんですが、おじさんが亡くなってから、その彼の存在みたいなものの大事さを改めて知る事ができて、彼に本を捧げたいという思いでこの本を作りました。そんな状態だったので、派手にはしたくないなあという心理も加わりました。静かな中で、何か伝えられるメッセージはないかなということで……。本の中で木が成長していくという話です。 ![]() 夏には沢山の葉っぱをつけ、秋には色が変わり、さらに紅葉して、寒い天気の悪い日でも木はそこにいるわけですね。冬には葉っぱを風に全部飛ばされてしまって、また春が来て、秋がきて、で、クリスマスには、イルミネーションでなんとなく役に立つことが起きて、で、また冬がきて、ある日突然木がなくなってしまうんですが、でも、種がですね、他の新しい地に運ばれて、芽吹くというストーリーです。 この本が2010年ラガッツィのスペシャルメンションアワードをいただいたんですが、スペシャルメンションといういのは、大賞ではないんです。だから私は大賞にはまだ至っていないんです。 ![]() 白い校舎をピンクに、しかも派手に。 今年三度目のラガッツィ賞スペシャルメンションアワードを受賞しました。でもまたしても大賞にいたらなかったんです。何かが欠けているみたいですね、私に(笑)。 最初……その、わたしこれまで、ハンディキャップを持っている人たちにむけた本に携わってきたんですね。視覚障がいがある人たちとか聴覚障がいとか。で、実は5パーセントの男子に色覚障がいといいますか、ちょっと人と違う反応がどうしても現れてしまうんですね。5パーセントといえば20人に一人という、それなりに多くの男の人たちが実は色覚で悩んでいらっしゃる。で、そのことというのは、なかなかカミングアウトできなくて、ただ、就職のときに、例えばパイロットになれないとか、建築家になれないとか、つまりあきらかに職業差別を受けてしまうんですね。であるならば、もっとその小さいときにそういう事がわかって、そこと向き合うということも必要じゃないかなと考えていたんですが、日本では、現状、色覚の検査は行われていないんですね。発覚した場合に差別とかいじめに繋がるという配慮からなんでしょうけれども。 実はわたし、10才のときに、小学校の絵を描く授業で白い校舎をすごい派手なピンクに塗ってしまったんですね。で、学校の先生が異常があるのではないかと、とても凄い検査をさせられて、結果問題無しだったのですが、以来、色に対してコンプレックスをいだくようになりました。30歳くらいまで引きずりましたかね。で、私が、デザイナーの道を選んだのもなんとなく自分でそれを乗り越えたいなーという強い思いがきっと働いたんじゃないかなと思うんですが。 ![]() 東日本大震災が起きた年、2011年ですね。事務所で一人、電気も節電して、暗い中で仕事をしていた時期があったんですね。夏でしたね。で、そのときにニューヨークの方からメールがあって、MOMAのプロジェクトで、パズルの本をつくってほしいという以来があったんです。そのときは、ともかく何かをしたいと思っていたので、すぐに仕事に取り組みました。ピースが取り出せるんですけど、表が色で、裏がモノクロのパターンになっているとか、パターンとか色を便りに、また組み合わせを戻していく、そういうものです。色のグラデーションになっているんですけどね、弧というんですかね、これが微妙にちがっているので、すこしでもずれていると、綺麗には戻せなくなってしまうんですね。ま、こういうようなパズルブックをMOMAから出版されたんですが、このパズルはですね、実は色覚にもし子供に異常があれば、例えばこのサンプルを作ってくださいと言われたときに、これと同じようなものが出来なくなってしまうんです。そうすると子供にちょっと異常があるのかなと、見つけられるようなそんな提案をしたのですが、そういったコメントは、あまり入れられないということで、意図は反映はしているんですが、言葉としてそういう説明を付ける事は、できなかったんです。で、以来ですね、どうしても色覚の異常のある子供たちにむけた本をつくりたいと思って、去年の夏から作り始めたんです。 わたしちょっと病気をしまして、急性白血病という病気で2012年に骨髄移植をうけて、その後、副作用とかいろんなものが、あって、去年の夏、帯状疱疹というのがお尻に現れて、これがめちゃくちゃ痛いんですね。寝ても痛い、起きていても痛い、みたいな。で、3週間続いたんです。3週間は痛みの中で作業していたんです。実は色覚に異常のある人たちというのは、ピンクとグレーというのが識別できなかったりするんですね。それとか例えばちょっとトマトサラダを想像してみてください。レタスのグリーンの上に赤いトマトが乗っていますよね。ところが色覚に異常のあるひとたちは、グリーンはオレンジにみえるんですね。赤いトマトは茶色にみえるんです。ですから、オレンジのレタスの上に茶色いトマトが乗っているというイメージです。つまり、色を見失ってしまうわけです。で、そういうものが見つけられるような、そんな本を作ろうと思って、これコンピューターの画面で延々とひとつひとつ動かしながらやっていき、さらに帯状疱疹はおき、そのうち目がストレスを受けて、二重に全部見え始めて、結局今、眼鏡をしているんですけど、これ乱視の眼鏡なんですね。結局乱視になってしまって、もうそれ以上作業を続けることが難しくなったんです。で、そんな状態の中、帯状疱疹もやっと治って、パリでの展示の仕事があったので、パリに出かけたんです。 ![]() そのとき、パリのジャン・ウィドマーというデザイナーとコラボレーションしてつくった本が、こちらになるんですけど(「行ったり来たり」)。 ![]() 大先輩からの刺激。 彼は私よりも20年くらい上の世代のフランスでは第一線で働いてきた方です。彼のアトリエにいって、それまで彼が作ってきた幾何学のシンプルな構図のものをみせていただいて、はっとさせられたんですね。なんか自分はイラストレーターでもないのに、イラストレーションの仕事を一生懸命しようとしてたなあと。やっぱり自分はグラフィックデザイナーだし、もっとグラフィックのピュアなものを作りたいと思い、もう、それまでとは真逆の、むしろすごくシンプルなグラフィックの構図を考えてつくりはじめたのが、この「日がのぼるとき」です。 ちょっと中をあけますと、雨が長〜く降り続いていて、動物たちがすっかり自分たちの色を忘れてしまうというはじまりですね。 ![]() 象さんが現れて、象さんが鳥に聞くんですね。鳥に聞くと、鳥が「色は暗やみの中になるよ」っていうんですね。そういういろんな動物たちが、自分たちのいた場所から、その色を連想しているくというストーリーになっていくんです。で、最後は、シロクマのところにいくんですね。で、シロクマに「色ってどこにある?」ってきくと、シロクマが「色なんてないよ」っていうんですね。でも見た事あるっていうんですね、夜明け前にそれまで太陽が沈んでいたのが、だんだん日がのぼるときに、光が世界にに溢れてきて、で、命が芽吹くというんですか、改めて活気を取り戻してきて、その色に溢れてくる世界から、動物たちがまた色を見つけ出して最後は象さんが、今度はちっちゃなネズミの姿をみて、自分の色と同じだという、そういうストーリーになっています。この本が2016年のラガッツィのスペシャルメンションアワードを頂いたんですが、今回は特別なメンションがありまして、と、いいますのは私、三回目の受賞となったのですが、2012年、13年、ボローニャに行けなかったんです。入院をしてまして。で、そのことを、審査員の方々がご存知だったかはわからないのですが、メンションとして、作家人生としてのスペシャルメンションというかたちで、賞を受賞することができました。 今年ボローニャにいきまして、皆さんにとても祝福されて、わたし今年で62歳になるんですけど、病気をしてからは、やっぱり考え方がとてもより現実的になったような気がします。と、いいますのは、いずれ私達は、やがては身体が枯れて死んでいくんですけども、「あと何年仕事できるかな」というカウントダウンに自分が入ってきたという感覚があって、できることなら死ぬまで仕事をしたいなと思うんですけれど、1年1作つくるとしても、あと十数点つくれるかつくれないか、みたいな、感じだなと思うと、より仕事に現実的に集中できるような。そういう気持ちになれてきたっていうのは、むしろ病気になって改めてそのことに気づけてよかったなあ、と。若いうちから気づいてやっていればもっと違った人生があったかなとも思うんですけれど、でもこの年になって気づけて、ある意味自分にとってはすごい励みになっています。 ![]() いつもチャレンジ。 わたしにとっては、ボローニャ・ラガッツィというのは、いつも常々チャレンジの場だったんですね。確かに出版事情でいいますと、私の作る本は、売りにくい、展開しにくい、わかりにくい、ともかくそういう困難な部分が絶えずつきまとうようなものを、あえて作ってきたような気もします。ただそれは、ある意味、本の可能性を広げたいというような思いが強くありました。 この間ロンドンへ行ってきたんですが、ロンドンに行ってとても励まされてきました。といいますのは、ロンドンのブックフェアだったんですけどね、やっぱりみんなが口をそろえて言い始めてきていることに、「確かにデジタルは便利だけども」というのがあって、「でも、なんか信頼できない」「何か所有物として持った感覚がない」というんですね。つまり、なんとなく手元に絶えず便利な情報としてはあるけども、という。本はその点、個人の所有物なんですね。 つまり、本以上にモノと化しているという感じですかね。そうすると例えば所有物となると、装幀がどうだとか、紙質がどうだとか、いろんな自分の趣味趣向に合ったような本を選び出すということになっていくんだと思うんですね。ですから逆にいえば、むしろ、本作りの現場ではチャンスが生まれてきているんじゃないかなと思っているんです。 もっと我々、ものづくりということに対して真摯に受け止めることが本作りの現場でもあるだろうし、今回娘がTシャツのデザインを手掛ける様になって、先ほどもご紹介しましたけど、インクジェットとね、シルク印刷のその違い。私達はそれを見るまではね、何とかなるだろうって思ってたんです。甘かったですね。全くのド素人でした。でも実際その違いを見たときに「これはダメだよね」っていう判断をしたわけですよね。ダメなときにダメと判断をするというのが、やはりすごく大事だと思うんですね。誰かが良いといったから、それを良しとするのは、それはモノを作っている良心ではないと思うんですね。絶えず、自分が良いと判断するという、そこまで突き詰めて仕事をできるような、そういう事を今回のプロジェクトで、まー、親バカですけども娘と共有できたことというのはとてもよかったなと思っていますし、こういう場を与えてくださったギャラリー5610さんのみなさんにはとても感謝しています。 ![]() 最後にですね。わたしワークショップがとても好きなんです。 つまりいろんな人と知り合うチャンスがあるんですね。私はともかく現場でモノを感じることが一番大事だなと思っていまして。机の上でモノをつくるだけではやっぱり何か不足してしまうんですね、一応ある程度のかたちはできるんですけども、でもそこに感覚と意識とか気づきとかっていうものっていうのはなかなか生まれにくいんです。ですからやっぱり現場に赴いて、いろんな子供たちとかいろんな人たちと向きあう中で、ものを作るという感覚よりも、むしろ生まれてくるっていう感覚で、これからも本に携わっていきたいと思いますし、もし、娘がいろいろこれから何か、Tシャツとかなにかやりたいということであれば、わたしが手をひっぱることはしませんけれども、背中の後押しくらいは、少しでもさせてもらえればなというふうに思っています。 いずれは、ワンストロークという会社を、ちっぽけな会社があるんですけど、お陰さまでなんとか30年を迎えました。多分彼女が引き継いでくれるのかなあ、と思いながら、ちょっとそこはまだわかりませんけども、今後の彼女に期待したいし、また自分にとってもまだまだ仕事をさせていただきたいと思っています。今日は本当にお忙しい中、ありがとうございました。 ------------------------ トークショーは以上で終わりです。
by gallery5610
| 2016-07-10 16:03
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