ギャラリーでは漫画家の篠原ユキオさんによる「HITOKOMART」展が開催中です。
「HITOKOMART」という言葉は1枚ものの漫画という意味の「HITOKOMA」に絵画作品としての要素をメインにしたという意味の「ART」を合体させた篠原さんの造語です。
篠原さんは、数年前から大きなキャンパスに表現する「大きなヒトコマ漫画」に取り組んでいます。それは単に小さなものを拡大するのではなく、大画面だからこそ表現出来るアイデアを中心に制作しています。新聞の小さな画面では十分に表現できない世界を大きな画面に描く作業は、若い頃にのめり込んだ油画の感覚にも似て心地良いそうです。本展では、今年ニューヨークと京都で開いた個展の作品から選抜したものに、本展のための新作を加えた27点余を展示しています。
篠原さんが1コマ漫画を描き始めたのは大学3年の秋だったそうで、当時、大阪の産經新聞社に読者の漫画投稿欄が始まり、篠原さんの投稿作品がすぐに選ばれ毎週1コマ漫画を描くという生活がスタートしたそうです。以来、読売新聞、大阪新聞、朝日新聞などの新聞に時事漫画、ユーモアイラストレーション、エッセーを発表、現在、京都精華大学で後進の育成に努めてられています。
「1コママンガはアイデア勝負」「クスッと笑わせたら勝ち」と篠原さん。作品のモチーフは、世の中のあらゆる物事やニュース。他人とは少し違った視点や感覚で自分なりの世界を描き続けておられます。今年3月に開催されたニューヨークでの個展では、ご自身の1コマ作品の面白さは万国共通であることを再認識されたそうです。
今週の土曜日までの開催です。
会期中、篠原さんは毎日在廊していらっしゃいます。
篠原さんのユーモアのセンス、お笑いの心意気には脱帽しました。面白いお話が湯水の様に出てきてお話にぐいぐい引き込こまれてしまい時間が経つのを忘れてしまうほど。さすが大阪人!ぜひ足をお運びください。
●篠原ユキオ「HITOKOMART展 in TOKYO」
8月29日(土)まで
11:00~18:00(最終日は17:00まで)