小松研治「脇モノーそのプライド」展がスタートしました。
日々の暮らしの中で、ことさら気にも留めないモノ、棚の奥にいて時折出番のあるもの、そんな「脇役小モノ」230点余を展示しております。
小松研治さん。
ギャラリー5610での展覧会は、2009年に開催された
続「愚者の楽園 10人の面々」以来となります。
「脇モノ」といえば、例えば、脇役の中の脇役、コーヒーの豆をすくう木製匙。
これらを作る木材は柘植(つげ)の木で、伊豆諸島の御蔵島という小さいな島からきたものだそうです。小松さんは、昨年の夏にこの島を訪ね、柘植の原生林や植林を歩いて木に触れ、伐採から製材、乾燥、販売・発送に至るすべて過程をご覧になり、そこに携わる多くの人たちと出会ったそうです。(黒檀の匙も展示しております。)
小松さんの拳の中で匙になっていく柘植の木は、遠い島の中で貴重な資源として人の手で育まれ、厳しい掟で守られてきた素材でした。そのような過去のからの延長線上に小松さんの仕事はつながっています。さらに、匙の凹み部分を削る時に使う刃物を作る人、それを鋭利に研ぐための砥石を掘り出す人など、遡って数えればきりのない人々が小さな木製匙に携わっています。
コーヒー豆用の匙の他、美しいケヤキのトレーや爪研ぎヤスリ、刳物の器、
卓上ミニ鰹節削りなど、ぜひこれら脇役小モノ達をご覧ください。(作品は全てご購入いただけます。)会期中、小松さんは毎日いらしておりますので、作品のこと、制作の過程や道具のことなどご質問されてはいかがでしょうか。
■小松研治「脇モノーそのプライド」展
2013年11月2日(土)〜11月8日(金)
11:00~18:00(最終日17:00まで)