ギャラリー5610、今年最初の展覧会「Windsor Department02」がスタートしました。
「ウィンザーチェア」という名前の語源は諸説あるそうで、17世紀後半のイギリスのウィンザー地方で、当時の指物師(挽物師)たちが、町家や農家で使う実用的な椅子として作り始めたものが、ウィンザーチェアの起源と言われているそうです。「棒状の部材(背もたれ、脚)を全て座面に差し込んで作った椅子」と、その構造は至ってシンプルです。
「Windsor Department」とは、この古くからあるアノニマスな椅子に魅せられ、研究するデザイングループです。メンバーは5人。
家具デザインを中心に、インテリア、プロダクトデザインの分野でご活躍中の藤森 泰司さん(左)
ウィンザーチェアを外に連れ出したいという思いからフレームをスチールにした「Flipper」の説明をする藤森さん。
ミラノを拠点に、家具、医療器具、スピーカーなどのプロダクトデザインを手がけられている猪田 恭子さんとニルス・スバイエさんによるデザインチームInoda+Sveje。スバイエさんはお仕事の都合で、残念ながら今回は来日されていません。
コロニアル・チェア、サファリ・チェアを想像させる、持ち運び可能な「Pillow-back Windsor」の説明をする猪田さん。
組み立ても簡単で、ミラノから猪田さんが一人で持っていたしたとのこと。
そして、
Room展、
geografia globe garden展でギャラリー5610で展示をしてくださった、林 裕輔さん、安西 葉子さんによるデザインスタジオDRILL DESIGN。
背中をどう支えるかを試行錯誤した結果、通常複数本使うしポークをY字の部材のみにしたという「crest」の説明をするDRILL DESIGN。
今回の展覧会では、ウィンザーチェアの持つ「佇まい」に焦点を当てた展示となっています。牧歌的とも言える雰囲気を持ちつつ、緻密で洗練された印象もあるという、相反する要素が同時に存在しているのがウィンザーチェアの魅力なのかもしれないとおっしゃるメンバー。
椅子をただ展示しただけでは、その佇まいを感じでもらうのに不十分であるということで、それぞれのメンバーがラグもデザインし、椅子を取り巻く空間全体を感じていただける展示となっています。
「Windsor Department02」は、2月6日(水)までの開催です。
椅子やラグにご興味のある方にはぜひご覧になっていただきたい展覧会です。
どうぞお見逃しなく!
□「Windsor Department02」
2月1日(金)〜2月6日(水)
11:00-19:00 会期中無休