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2012年 03月 15日
ひきつづき、授賞式の様子です。
課題部門の発表の前に、気仙沼の現状と「震災復興計画」とはどのようなものなのか、気仙沼市秘書広報課の鈴木さんよりメッセージをいただきました。(一部抜粋してお届けいたします) 気仙沼市の鈴木です。 まず今回、課題として「震災復興計画」を扱っていただきました。みなさんに、まずどういう被災状況であったか、そして現在どういう状況であるかを若干お時間いただきまして紹介させていただきます。 ![]() 私は12年間、防災を担当しておりました。まさに真っ正面に立って、住民対応などをしてきたところです。このようなことを言うと、みなさんに嫌われてしまうかもしれませんが、10月に現在の秘書広報課へ移動になったときに、こういったデザインコンテストがあるんだと知りました。その時の率直な感想としては、「デザイン」よりも「食べ物」であり「水」「寝るところ」じゃないのか?というのが、まず最初に思った感想でございました。 一番最新の数です。気仙沼市で亡くなった方1,032名、行方不明者324名、割合にすると1.7%という数です。「1.7」と、一生懸命これまで防災教育などをやって「1.7」といえば低いですが、1,000名以上の方が亡くなっています。しかも人口はどんどん減ってきています。1年たって4千人が減りました。これは気仙沼からで働くところがなく、どんどん流失していることを示します。 電気がすべてのところにもどるのは、2ヶ月かかりました。2ヶ月停電だった地域があります。水道が戻るには3ヶ月を要しました。これが気仙沼の状況です。さらに70cmの地盤沈下、気仙沼全体が4M動いているそうです。浸水区域内にある事業所、これは市内の80%の事業所が浸水区域にありました。従業員でみると83.5%。助かったけれども仕事がない。働く所がない。これが状況です。 市のほとんどが全滅し、友人も亡くした中学生達が、天を恨らまずにこれからも進んでいくといっています。わたしたち大人もがんばらなくてはいけません。 そのため、これから町をどうしていこうというのが「震災復興計画」です。 市民委員会方々からも集め、サブテーマとして「海と生きる」というテーマになりました。 たとえば、地盤沈下した土地をどうしていくのか。いまよりT.P.で1.8Mあげなければなりません。そしていままでは、沿岸にも住んでいました。今度は寝ている時に津波にあっても命が助かる場所にいましょう、働いているところは下でもしょうがない。こういう計画です。 ![]() そして岸壁、防潮堤も国から示されたもの、これも今後考えなければ観光としての町も成り立ちません。真ん前にたてるのではなく、後ろにたてるというのも方向としてあります。これもこれからの課題です。防潮堤をやればやる程、大きい防潮施設、そして数が多くなります。これを閉めようとして、消防団員が犠牲になったのではいけません。 そして、今後のゾーニング。どういう所は何エリア、と、こういうことを決めていくのが震災復興計画です。もちろん、震災復興計画は概要です。今後より詳細のことは詰めていく事になりますが、実際動き出しています。がれきの撤去、道路をかさ上げし、仮設住宅も建て、仮設住宅は93箇所に約3500戸。土地がないのです。平らなところがないため、わずかな平地でも切り開き、そのため93カ所と、とても多い数となっています。 ボランティアの方々にも来ていただきました、そして、うちあげられた船も海に戻す事ができ、少しずつ復興が始まっています。魚市場も再開、船も戻ってきました。新しい船も作られています。そして6月には、秋刀魚もとりはじめられました。東京の目黒では、昨年の9月、秋刀魚まつりとして、みなさんと一緒に秋刀魚を焼きました。そして6月からはカツオもはいってきました。生鮮カツオ、生のカツオではなんとか15年連続日本一でした。この「生」というのが問題です。水揚げして氷をいれて、そのまんま出しているだけです。加工工場は今だ、瓦礫の中です。 ![]() 復興屋台村、仮設店舗も立ち始めています。そして応援いただいているということでは、銀座TSビルでアンテナショップを開いていただいております。写真展などもございます。さらに、今日来る時に寄ってきましたら、このように大きなメッセージボードがありました。 ![]() 浅葉先生のご協力もあり、津波記憶石、こちらは気仙沼のものです。今2個目の工事がなんとか終わり、除幕式が3月16日に行われます。このような形でご協力いただき、もう2度と被害に遭わないような町をつくる。これも皆様方からしてたいただいた支援でございます。 ![]() モニュメントとしては、この330トン、長さ60Mの船が海から800M離れたところにあります。これを今後の追悼のモニュメントとして、国立公園としてもらえれば、残していこうと考えております。これは亡くなった方を弔って、自然発生的に飾られていたものでございます。 ![]() また最近、市長がニュースや生放送などに出させていただいてます。これは、もう気仙沼や被災地復興は終わったのではないか。最近ニュースで取り上げられない、と。それを危惧して、実は復興したところもありますが、まだまだこういう面もあるんだということを知っていただくために出ております。 ![]() 気仙沼といえば、魚の町、市民も海と生きるという思いがあります。このシンボルマークを使いまして、これまでお世話になった方々に御礼の気持ちも伝えつつ、市民一丸となって復興に進んで参りたいと思いいます。 ![]() シンボルマークというのは形だけではない。市民の心を1つにし、また気持ちを伝えるものだと。 「形」ではなく「心」だということが、私はこのコンテストに参加させていただいて分かりました。 鈴木さんのお話の後、授賞式へ。 ミネート作品6点から、市長ならびに気仙沼産再復興会議の委員及び気仙沼市震災復興市民委員会の皆様によりグランプリ作品1点が選ばれました。 同市震災復興計画の公式シンボルマークとしての活躍が期待されています。 応募総数109作品から選ばれたグランプリは、大阪のデザイナー南部真有香さんの作品です。 日本の伝統である折り鶴をモチーフに、ロゴ全体で気仙沼市のアルファベットの頭文字である「K」を表現し、日本と世界へ発信できるシンボルマークを制作しました。上を見ている折り鶴は、復興に向けて力力強く羽ばたく気仙沼市の人々の姿を象徴しています。 ![]() グランプリの南部真有香さん(大阪)他、最終選考にノミネートされた方々。 左より、南部真有香さん(大阪)、山下文朗さん(大阪)、南部俊安さん(大阪)、清水龍之介さん(東京)、加藤陽子さん(東京) ![]() 審査員の方々のコメント 植原亮輔さん ![]() 受賞者のみなさんおめでとうございます。ぼくは、震災があった直後、何ができるのかなと思っていました。オープンしたばかりのぼくらのプロダクトのショップには人は来ないし、すぐに閉まってしまうし、仕事も色々なくなったりして、デザインって無力なんだなと痛感させられました。それは震災直後ですが、今、復興に向けて皆の気持ちが1つになろうとしている時なので、これからはデザインが役に立つときだと思っています。ロゴというのは、皆の気持ちを1つにするものなので、今回受賞された、折り鶴のロゴマークが、希望の光のようになって、皆の気持ちをひとつにして役立てば、審査したぼくらも嬉しく思います。 渡邉良重さん ![]() 受賞者のみなさまおめでとうございます。 今回の審査は、段々作品が絞られていくにしたがって、よく考えられた素晴らしいものが沢山あったので、本当に審査をしていて、楽しいというか、充実感がありました。 わたしもこの一年、今までにはない1年で、すごい腹が立ったりとか、もちろん悲しみとか、そういうものも沢山ありましたが、実はすごく感動したことも沢山ありました。色々な報道を見ることしか私にはできないですけれど、その中で、被災されて間もない頃の、すごく大変な目にあっている方の口から「ありがとうございます」とか「感謝しています」という言葉がテレビからすごく聞こえてきて、本当に凄い人たちだなということをよく思いました。それが、本来日本人のあるべき姿というか、そういうものが東北に残っているんだなということをすごく思いました。今回の折り鶴の作品は、「折り鶴」というのは、日本的であり、癒しであり、飛躍であり、ありがとうということばが込められているので、とてもふさわしいものだったと思います。 服部一成さん ![]() この審査は、デザインの審査に幾つか関わることがあるんですけれども、なかなかレベルが高くて、面白いというか、審査していていいな、と。良いものをいろいろ見て気分も盛り上がりました。今年もかなりレベルが高い。特に学生部門に良いものが多くて、それでさっきも、佳作になったものの中から、個人賞を選ぼうよ、という話が自然発生的に持ち上がるくらい学生部門のレベルが高かった。テーマの設定もよかったですけれど、それぞれが、すごくきれいな形をつくれていたと思います。 さきほど、気仙沼の鈴木さんの方から大変な映像をみせていただきました。シンボルマークというのは、形ではなく心であるとすばらしいお話がありましたが、最後にそう感じていただけて本当に良かったと思います。デザインをしている側の人間としては、全くその通りで、しかしその「心」を伝えるには、やはり「形」の良さいうか、形を極めないと心も伝わらないということがあると思います。僕たちはデザイナーですから、良い形を作るというところをしっかりやらないと。 グランプリの折り鶴の作品も、折り鶴をモチーフとした発想というのも、もちろん素晴らしいのですが、それをあの形に消化したというところがやっぱり素晴らしいと思うんですね。デザイナーはやはりデザインの力を磨かないと、社会に貢献したいと思ってもなかなか出来ないと思いますので、これから自分も含めて一生懸命技術を学んでそれを生かせるようにしていきたいと思います。 佐藤卓さん ![]() 受賞者の方々おめでとうございます。 今回つくづく、レターヘッドが社会で機能しているということは、実はとても幸せな状態である、ということを考えさせられました。紙を作る仕事がある、それからデザインする仕事がある、丁寧に印刷する仕事がまたあって、そしてそれをまた届ける郵便配達という世の中の仕組みが成立している。実は、とてもきわどい状態で成立していて、それがとても幸せの象徴なのではないか、と、そういうことを考えさせられました。 さきほど、気仙沼市の鈴木さんのご挨拶の中で、デザインの前にまず「水」「食べる物」「寝るところ」が必要であると、まさに本当にそういったことが分かった上で、目の前のレターヘッドのデザインをどれだけ、世の中が安定している状態で我々はそこにデザインができるのか?ということを考えながら、それに対する本当にありがたいという気持をもちながらデザインをするという必要があると思います。 「あたりまえではない。」ということを考えて、紙の質だったりとか、印刷だったり、もう細かいデザインのディティールだったりを作り込んでいくということが大切なんじゃないかということを、今回つくづく考えさせられました。 素晴らしい作品にいっぱい出会えてましたので、私もとても刺激になりました。これからも日本、それからアジアをデザインで少しでも良く出来たらと思いますので、一緒に一歩一歩いきたいと考えております。ありがとうございます。 受賞者のみなさんおめでとうございます。 ![]() 受賞作品を是非会場でご覧下さい!(Y) □コンケラー・デザインコンテスト受賞作品展 〜3月17日(土)まで 11:00〜18:00(最終日17:00まで) 主催:アンタリス・ジャパン(株)/(株)ヤマト
by gallery5610
| 2012-03-15 18:18
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