ステンドグラスの歴史は、中世ヨーロッパの教会でキリスト教伝道の為といわれていますが、日本にステンドグラスが入ってきたのは、幕末の頃といわれています。
日本最古のステンドグラスといわれているのは大浦天主堂(国宝)ですが、1865年天主堂の建立を記念してフランスの修道院から寄贈されたもので、現在のステンドグラスは1879年に改築されたものだそうです。
日本人の手により初めてステンドグラスが作られたのは、明治23年。宇野澤達雄がドイツよりステンドグラスの技術を持ち帰ります(帝国議会議事堂(現:国会議事堂)建設にあたりステンドグラスの技術を習得する為ドイツへ行く)。
その後も、小川三知など創成期の作家達により、室内装飾品として伝えられ、学校、交通機関、公共施設、商業施設、宿泊施設、住宅…など、教会以外にも実に様々なところにステンドグラスは取り入れられてきました。
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さて、前置きが長くなりましたが、ギャラリーでは、桑田ひろみさんと丸山博孝さんによる「ステンドグラス2人展」が開催中です。
ステンドグラスの先生と生徒でいらしたというお二人。
向かって左の女性が、先生の桑田さん。
桑田さんは、美大を卒業され、ステンドグラスの教室で指導をされたのち、パリへ留学。帰国後、現在まで、個人邸宅や寺院や宿泊施設など、施主の注文を受けて、デザイン、製作をされています。
以前は、大手石油会社の技術者でいらしたという丸山さんは、会社を辞められ、その後、偶然、桑田さんの生徒になられたんだそうです。ステンドグラスにはそれまでまったく縁がなかったという丸山さんですが、技術研磨の後、工房を構え、現在は、注文製作の他、教室も主宰されています。
「もし、先生が桑田先生でなければ、ここまでこられませんでした。その後もいろいろな人との出会いがあったおかげで今の私があります」とおっしゃる丸山さん。人の出会いというのは、本当に不思議なものですね。
九州四国地方が梅雨入りし、東京も薄曇りですが、曇り空の方がステンドグラスの鑑賞には良いのだそうです。光が強いと反射が強くなり、ディティールが見えにくくなるのだそうです。
「窓や扉に嵌め込まなくても、このように木枠で囲ば、絵を飾るのと同じように手軽に楽しめるでしょう」と桑田さん。
お近くまでお越しの際は、ぜひお立寄ください。(Y)
○桑田ひろみ・丸山博孝 「ステンドグラス2人展」
〜5月30日(月)まで(日休)
11:00〜18:00(最終日15:00まで)
参考文献:株式会社松本ステンドグラス製作所ウエブサイト「日本のステンドグラス史年表」