「木織りboisette展」、"boisette"(ボワゼット)とはフランス語で木肌という意味だそうですが、本展は、木肌の木目をそのままに再現した木織りの布を使ったプロダクトデザインの展示会です。
木と織物、あまりピンときませんが、面白いことを思いつく人がいるのですね。
なぜ「木を織る」などということを思い立ったのでしょうか?本展のアートディレクターの鴨下宜訓氏にお聞きしてみたところ、最初は、群馬の染物屋の2代目が趣味で木の紙(木紙)を作っていて、木紙で名刺やハガキ、封筒などをつくっているうちに、「木で布ができないものか?」と思い、「木の布」でなにか身につける物をつくってみたいと思ったことが、そもそもの始まりだったそうです。
群馬県桐生市は織物で有名ですが、そんな場所柄もあって「木の布」が開発されることになったそうです。
ボワゼットの製作手順を簡単に説明しますと、、
1.木材を約0.1mmにスライスします(写真/真ん中のかんなくずのような状態)
2.和紙を裏打ちし、0.6mmの糸に裁断(写真/一番手前の糸状の状態)
3.木の糸を横糸に、絹糸を縦糸の引箔織という日本古来の織り方をしています。
木肌の木目通りに横糸(木の糸)を入れていくので木目が再現されるわけです。
会場では、引箔織の手順がわかりやすいように手織りの実演もしています。
木を柔軟にする加工技術と織り機の開発により、木そのものを柔軟な織ものとして活用することができるようになったそうです。
織機を開発製造した東栄工業さんは、開発に15年を要したそうです。
さすが、ものづくり日本!
屋久杉、スギ、ヒノキ、ブナなど木の種類は選はず、木肌を生かしながら様々なパーターン、文字、絵柄などマーク、色も自由自在なのだそうです。
黒柿や神代杉もありました!
ボワゼットを使用した、椅子やランプシェード、カードケースなど、実用的な商品も展示されています。
今週土曜日19日までの開催です。
日本人の独創性と技術力をご覧頂ければと思います。
今後、様々なアイデアによってボアゼットがどのようなシーンでお目見えするのかも楽しみです。(Y)
□木織りboisette 展示会--------------------------
2011年2月14日 (月) 〜 2011年2月19日 (土)
11:00AM-6:00PM