2005年4月に東京都立大学を含む4つの大学が統合し、総合大学として開校した首都大学東京。
本展は、そのシステムデザイン学部のインダストリアルアートコース、工藤ゼミの学生10名による卒業制作展です。ゼミを主宰されている工藤強勝教授は、ご周知の通り、デザイン、特にエディトリアルデザインの分野でご活躍されていますが、工藤先生から教訓を得た第一期生達が、どのように作品に取り組んでいったのか、非常に興味深い展覧会となりました。
工藤教授(一番左の方)、末房助教(左から2番目の方)とゼミのメンバー。
会場風景
植木沙奈さん「ENJOY LEARNING!! SERIES-KEY-」
塾の講師をしていた時の経験から、就学前の子供たちに勉強の楽しさ、大切さを学ぶためのシリーズ本が制作されました。
松尾知恵さん「そこのそこのそこ〜あたまのなかのしんかい〜」
モチーフとの関係が薄れていくのではないかという思いから、パソコンを離れ一本一本の線を大切に手書きで描いていった作品。
ビジュアルブックも制作。
勝田亜加里さん「新出版社まめぶんこ」
「人にマメな文庫」という意味からつけられた「まめぶんこ」。
本文を含むすべての装丁に取り組みました。
初見恵里子さん「NYX 仮想リキュールブランド100のパッケージ」
女性のお酒の楽しみ方の幅を広げてほしいという思いから考えられた作品。
人生をテーマとして100の言葉と手のビジュアルで表現されたパッケージ。
太田朝子さん「パターンデザインテキスタイルブランド répéter」
テキスタイルデザインから、アートディレクター、ファトグラファー、プロデューサー等をすべて一人で兼任して制作されました。
大貫悠さん「The Masks」
「仮面(mask)」から物語を膨らませ、ポップなビジュアルで表現。
原田和大さん「映画館のための"Visual Identity"」
家で鑑賞することが多くなった映画。映画と人を結ぶ存在である「映画館」にスポット当て、「映画館」の存続を願う思いから制作された映画館とその中のショップの為のVI。
金澤邦生さん「ダミーフリーペーパー作成」
フリーペーパー、中でも求人広告誌を題材に、3つの読書層に分けて制作。
中野陽平さん「Dance is Language」
ダンスの好きな作者が、「迷惑なもの」というストリートダンスに対する負のイメージを払拭するし広報化をはかるために、ダンスで表される身体の動きや美しさからヒントを得て、アルファベット26文字を制作。
太田美沙子さん「Norræn goðafræði og hönnun」
北欧神話とデザインをテーマに、ヴァイキング時代のルーン文字を使用して展開していった作品。
デザイナーの天野幾雄さんを前に太田さんの説明にも力が入ります。
卒業制作展は2月27日(土)までの開催です。
ぜひおでかけください。(Y)